年金保険料を納めても、貰える老齢年金はそのわずか、と聞いたら
保険料を納めるメリットが感じられませんよね。
しかし、年金保険料はいわば障害年金の掛け金でもあるのです。
今日は年金保険料と障害年金の関係についてお話ししていきます!
年金保険料:老齢年金の保険料に嘆く若者たち
執筆者たまこが先日電車に乗ってると、20歳くらいの
学生と思わしき集団のこんな会話を耳にしました。
20歳の誕生日がくるので年金の保険料を納めなければならなくなるが、
コロナでバイトが減って収入が少なく困っている、というぼやき。
これに対して、保険料を納めた以上に老齢年金を貰うことはできないらしいから、
払わなくて良いのでは、という助言。
そして、自分はすでに誕生月が過ぎていて郵便物が来たけれども
開封せず手続きも納付もしていないという報告。
これを聞いて、おお!これはまずい!できるなら話してあげたい!
と思ったことがふたつあります。
追納:学生納付特例制度、追納を知っていますか?
20歳になったら年金保険料を納付するようになるわけですが、
保険料は通常納付期限を2年過ぎると時効により納付できなくなり、
未納となってしまいます。
ただし、学生については申請によって在学中の保険料の納付が猶予される
「学生納付特例制度」が設けられています。
これによって時効が大幅に延び、10年の間に
追納(後から納める)すれば未納扱いにはなりません。
たまこが学生の頃は親切に大学の事務の方から案内があり、
手続きをして、卒業後就職してから追納しました。
親御さんが払っているからと申請をしていない同級生も多く、
うらやましく思ったものですが。
それはともかく、今納める気が無くてもとりあえず学生なら申請しておけ!
と思ったのがまず話してあげたくなったこと、ひとつめです。
障害年金:障害年金、障害手当金を知っていますか?
今の時代、どうせ保険料を納めた以上に老齢年金が支給されないだろう、
と嘆く気持ちはよくわかります。
たまこも就職して保険料を天引きされるようになり、
有無を言わさず納付することになり不服に思っていましたが、
ある時から年金は保険だ!と考えることにしました。
生命保険や医療保険、損害保険などの任意保険も、
保険料を払うけど、何もなければ払った以上には返ってこない。
それどころか掛け捨てだったら一銭も返ってきません。
では何かあったときは?保険金が支払われます。
同じように、年金では障害年金、障害手当金(一時金)が支給されます。
もしもにそなえて、と考えたらちょっと気持ちが変わらない?
老齢年金の保険料は障害年金の掛け金でもあるんだよ!
と思ったのが次に話してあげたくなったこと、ふたつめです。
障害年金請求:受給要件と保険料納付要件を満たしている必要がある
障害年金を請求するには、障害の程度について書いた診断書や
申立書などの書類が必要になるほか(受給要件)、
まず保険料の納付状況の要件を満たしていることが必要です(保険料納付要件*)。
*障害年金を受けるためには、初診日の前日において、次のいずれかの要件を満たしていること(保険料納付要件)が必要です。
(1)初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
(2)初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
たまこは作業療法士として精神科に勤めていた頃、
患者さんが障害年金を申請するお手伝いをしていました。
その中で、障害程度は十分なのに、保険料の未納が多く
申請そのものができなかったケースを何度も見てきました。
猶予期間の保険料を時効前に追納することはできても、
納付期限を2年過ぎて未納となったものはどうしようもありません。
あのやりきれない思い、
何もできない心苦しい思いは今も忘れることはできません。
年金申請は手帳申請と比べると結構複雑でかなりハードルも高いので
(たまこの年金申請もなかなか大変でした)、
基礎年金と厚生年金の説明、今回詳しく書けなかった受給要件の説明も含め、
また別に解説できればと思います。
障害年金:年金保険料を納める必要は? 追納・受給要件・納付要件とは? まとめ
- 年金保険料は期限を2年過ぎると納付できなくなり未納になる
- 学生納付特例制度を使うと、10年の間に追納すれば未納にならない
=学生なら申請して! - 障害年金を受け取るには障害の程度についての診断書や
申立書が必要になる(受給要件) - 障害年金を受け取るには一定の年金保険料の
納付状況を満たしている必要がある(保険料納付要件)
=年金保険料は障害年金の掛け金でもある!
たまこ自身は発症当時医療保険や所得補償保険に入っていましたが、
精神障害を補償するものはありませんでした。
高額な掛け金を支払いましたが役に立たず。
解約返戻(れい)金もありましたが一時的なもので、
将来への不安は拭えませんでした。
働けなくなって天引きでなくなってからも、
減っていく預金や将来への不安を抱えつつ、
それでも年金保険料を納めることは継続していました。
そして障害年金申請にいたるわけですが、
年金保険料を納めておいて本当に良かったと思いましたよ。
ではまた。
コメント
年金って、わかりにくいんですよね。
でもいま私が生活できているのは老齢年金のおかげ、これがなければ寒空の下で震えていたかもしれません。
もごもごです。さん、またおいでいただきありがとうございます。
年金、ほんとにわかりにくいですよね。
仕事にしていてもややこしいし、役人さんに聞いても不親切で苦労しました。
この制度を把握している役人さんや社労士さんの頭はすごいなと思います。
昔は役所の年金課の人も年金事務所の人も偉そうな人ばっかりだったけど、
消えた年金記録事件以来腰の低い人が増えた気がします(個人的な感想です)。
皆さんにわかりやすく年金の解説をするべく、
わからないことはがんがん聞いて解決しようと思います(苦笑)。
私はこのままだと将来寒空の下で凍えそうなので、
経済的基盤を固める方法を模索するのも最近のテーマです。