発達障害の二次障害とは? その具体例も紹介!




発達障害の『二次障害』について聞いたことがありますか?
発達障害は生まれつきの障害ですが、
二次障害は正しく知れば防ぐことのできる障害です。

今日は発達障害の二次障害について、実例もまじえてお話ししていきます!


発達障害の『二次障害』をご存じですか?

発達障害二次障害とは、発達障害による困難などを
原因として起こる二次的な障害抑うつ不安障害などを指します。
大人の発達障害では、強迫性障害依存症もよく見受けられます。

執筆者のたまこが作業療法士として精神科の臨床に就いていた頃、
10年以上前になりますが、こうした二次障害に悩む患者さんをよく見かけました。
まだ発達障害という言葉がメジャーでなく、児童・生徒の発達障害が見逃されやすく、
今のように学校や社会での『合理的配慮』もなされていなかった時代です。
そのため、友人・家族間や学校・社会で不適合を起こし、
その結果抑うつ状態となり、精神科の扉を叩きうつ病と診断される。
しかし抑うつ状態が落ち着いた頃、よく診てみたら、
背景に発達障害があるのがわかった、といったケースです。

ちなみに合理的配慮とは、障害者の人権が保障されるため、
教育や就労の場で障害特性や困難に合わせ行われる配慮のことです。
合理的配慮についてはまた別の機会に解説したいと思います。

 

 

二次障害の例:執筆者たまこの場合

10年ほど前、たまこ自身が受診するために最初に精神科の扉を叩いた時は、
ひどい抑うつ状態でうつ病と診断されました。
何年経っても軽快せず、難治性うつ病と言われていました。
今思えば、抑うつは二次障害で、根本の発達障害に
なんの働きかけもしていなかったのですから、
そう簡単に軽快するわけがなかったのです。

ADHDの診断名がついたのは、その後何年も経って職場で不適合を起こし、
自身で発達障害を疑い転院してからです。
当時はなかなか発達障害を得意とする医師に出会えず、
主治医を見つけるにあたり大変な苦労をしました。
ドクターショッピング(医療機関を次々渡り歩くこと)を
したいわけではないのに、変薬(別の薬に変える)後に寝たきりになったり、
食事が摂れなくなり激やせしたり幻覚・妄想状態となったりと、
家族など周囲からその都度転院を勧められていました。
実のところ、この頃の記憶もあやうく、
周囲に心配をかけたのをあまり覚えていません。

元上司からの紹介でやっと転院先を見つけ、
うつ病から双極性障害(躁うつ病)に診断名が変わり、
ADHDの診断名がつく頃には、ひどい不安障害と強迫性障害を抱えていました。
大量の抗不安薬抗精神病薬*を服薬しても、
副作用に苦しむばかりで悪化する一方でした。
改善すると信じて長いことこらえていたのですが、医師にさじを投げられ、
複数の支援スタッフからも転院を勧められ、再び転院することとなりました。
統合失調症の幻覚・妄想などに用いる薬ですが、うつや不安などの症状がとても強い場合にも用いることがあります。薬についてはまた別の機会に解説します。

現在は支援スタッフの紹介で別のクリニックにかかっているわけですが、
現在の診断名は、ADHD、双極性障害、ASDがその主なものです。
ASDに至っては、まだ一年と経たない、転院したつい最近の診断です。
つまりは診断がつくまで、生まれてから約40年、
精神科の扉を叩いてから約10年かかったということです。長い道のりでした!

精神症状に注目した投薬ではなく、発達障害とその二次障害という視点で
投薬を受けるようになってから、長い通院歴の中で一番安定した
経過を送ることができています。
不安障害や強迫性障害はなくなったわけではありませんが、
少しの抗不安薬や周囲の協力で、苦痛なく、
生活に支障のでない程度まで和らいでいます。
ひどい副作用に悩まされることもなくなりました。

↓二次障害の具体例、対処例についてはこちらをご覧ください↓
発達障害:二次障害とヘルパーさん 強迫性障害とその対処例も紹介!

 

二次障害の予防:発達障害は早期に発見し適切な配慮を

発達障害は生まれつきの障害ですが、二次障害は防ぐことのできる障害です。
二次障害を引き起こすことのないよう、こどもの発達障害を見逃さず早期に気づき
障害特性や困難に対して配慮すること(合理的配慮)が一番望ましいことです。

一方、そうした過程を経ずに二次障害を持ってしまった
大人の発達障害のケースでは、目立つ症状・障害(二次障害)だけに注目せず
背景になる発達障害がないか目を向けることが大切だと思います。

 

発達障害の二次障害とは? その具体例も紹介! まとめ

  • 発達障害の二次障害とは、障害特性やそれによる困難などを
    原因として起こる二次的な障害を指す
  • 二次障害には抑うつや不安障害などがあり、
    大人の発達障害では強迫性障害や依存症もよく見受けられる
  • 発達障害は生まれつきの障害だが、二次障害は防ぐことのできる障害である
  • 二次障害を引き起こさないよう、発達障害に早めに気づき
    障害特性や困難に対して配慮すること(合理的配慮)が望まれる
  • 大人の場合、目立つ症状・障害の背景に発達障害がないか目を向けることが大切

たまこはまさに『大人の発達障害』のパターンですが、
これだけ発達障害が認知・注目されてきた現在、発達障害に
気づかれないまま大人になってしまう発達障害児は
減少していくだろうと期待しています。
定型発達の(発達障害でない)子ども、
発達障害の子どものどちらにもかかわらず、
誰しも困難に立ち向かわなければならない場面があり、
またそれは成長のために必要なことでもあります。
成長に必要な困難と、二次障害を起こす困難と、
見極めの難しいこともあると思います。
それらを適切に見極め、配慮できる育児、教育が
実現すればいいなと望むたまこなのでした。

ではまた。

 

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