発達障害の子どものしかり方②:3ステップ+α、体罰


 

*当記事は以下の記事の続きです。
↓よろしければこちらからご覧ください↓
発達障害の子どものしかり方①;「怒る」と「しかる」、自己肯定感


発達障害の子どものしかり方:3ステップ+α

では、実際にはどんな風にしかったら良いのでしょうか。
3ステップにまとめてみました。


  1. 感情を受け容れる(気持ちを肯定する)

  2. 理由を説明して叱る(どうすれば良かったのかことばで伝える)

  3. 説明を了解する・謝ることができたら認める(信じる)

 +α 行動が改善したら褒める


感情を受け容れる(気持ちを肯定する)

1については前回①で説明したとおり。
まずは子どもの感情を受け容れます
頭ごなしに怒って恐怖感や反抗心を生まないよう、感情を抑えてください。

理由を説明して叱る(どうすれば良かったのかことばで伝える)

理由を説明するときは、~さんに怒られるから、みんなに迷惑をかけるから、
などといった理由では根本的な解決になりません。
周囲に許されれば何をしても良いことになってしまいます。

加えて、~するとお化けがくるよ!とか、今度したら叩くよ!
とかいったおどしでは、理由がつたわらずその場限り
行動抑制にしかならなかったり、トラウマを残したりしかねません。
また、自分が~ちゃんだったらどう思う?といった
相手の立場に立ってものを考える問いは、
子ども、特に発達障害のこどもには難しいことがあります。
具体的に、~すると~ちゃんは嫌だから、
嫌がることはしてはいけない、という様に伝えてください。

説明を了解する・謝ることができたら認める(信じる)

説明を理解して復唱したり、自ら相手に謝ることができたりしたら、
くどくど言うのはやめましょう。
できたね、次もそうしてね、と子どもを認め、信じることが大切です。
ここでくどくど言うと真意が伝わらないばかりか、混乱を招いたり、
話の内容よりも嫌な感情ばかりが残ってしまったりと、
ここまでのステップを無駄にしてしまいます。

また、ここでだからあんたはダメなのよ、といった人格否定や、
~ちゃんはできるのに、といった比較もNGです。
発達障害の子どもは日ごろから劣等感を抱きがちですから、
自己肯定感を育てるようなかかわりをしてあげてください。

 

+α 行動が改善したら褒める

これについても全回①で説明したとおり。
当たり前のことでも、できなかったことができたというのは大切な一歩。
褒めることは行動を強化するだけでなく、自己肯定感の成長を促します。

ちなみに、一貫性がないのは子どもの混乱をまねきます。
自分の気分次第で先週は許したことを今週はだめとしかるのでは、
不信感にもつながります。
子どもの思いがけない行動に感情的になってしまうことがあるかもしれませんが、
一度良いことと悪いこと、その基準について考えておき、
いつでも穏やかに話せるようにしておくのも大切かもしれません。

 

しつけとしての体罰の是非:命の安全と人間の尊厳

コミュニケーションがうまく取れないとき、だれでも苛立つことがあるでしょう。
コミュニケーション障害をもつ相手に対して怒っているときはなおさらです。
それでも発達障害をもつ子どもをしかるとき、
体罰だけは自分の感情をコントロールして我慢してください。
なぜ我慢が必要かはここで語らずとも皆さん理解されていると思います。
どうしても我慢、コントロールできないときは、
しかる側の『アンガーマネジメント』が必要かもしれません。
アンガーマネジメントについてはまた別の機会にお話しします。

ここからは私の個人的な意見です。
体罰が許されるのは、
命の安全が脅かされる可能性があるとき(自傷他害の恐れがあるとき)、
人間の尊厳が踏みにじられたとき(差別、いじめ、虐待など)、
の二つだけだと思います。
自身はそのような場面でなくても体罰を受けたことがありますが、
だからこそ、ぜったいにしないと誓います。

前の章で、良いことと悪い子ことの基準を考えておくことをおすすめしました。
日頃怒りの感情や手が出やすい方は、手をあげていいことと
いけないことについて考えておくことをお勧めします。

 

発達障害のこどものしかり方 まとめ

  1. 感情を受け容れる(気持ちを肯定する)←頭ごなしに怒らない

  2. 理由を説明して叱る(どうすれば良かったのかことばで伝える)←おどさない

  3. 説明を了解する・謝ることができたら認める(信じる)←くどくど言わない

 +α 行動が改善したら褒める

  • 頭ごなしに感情的に怒らず、混乱させないよう説明し、
    良い行動へ改善に導き、褒めて自己肯定感の成長を促す。
  • また、特別な場合を除き体罰は避ける。
    そのため、良いこと・悪いことについて日頃から考えておく。

こうして見てみると、叱ることは子どもの特性を知るための
コミュニケーションであり、褒めるのきっかけでもあります。
ネガティブなことと捉えず、大切な成長の一歩と
捉えてもいいのではないでしょうか。

ではまた。

 

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