発達障害:大人のADHDとは?その特徴や原因を解説!


 

大人の発達障害という言葉をよく耳にするようになって数年経ちます。
発達障害とは主にADHD(注意欠如・多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)、
LD(学習障害)の3つを指しますが、それぞれどんな障害かご存知でしょうか?
今さら聞けない発達障害、今日はADHD、大人のADHDについて解説していきます!


 

ADHD(注意欠如・多動症)の特徴

ADHDは日本語で注意欠如・多動症、または注意欠陥・多動性障害といいます。
ADHDの特徴的な症状(障害特性)は以下の3つです。

  • 不注意
  • 衝動性
  • 多動性

不注意

不注意は細かいことに注意がいかなくなることです。
生活場面では、忘れ物が多い、作業に集中できない、
片づけられない、時間管理ができない、などのかたちであらわれます。

衝動性

衝動性は、刺激に対してよく考える前に行動してしまうことです。
生活場面では、順番を待てない、衝動買い、
思ったことをすぐ口に出してしまう、などのかたちであらわれます。

多動性

多動性は、落ち着きがなくじっとしていられないことです。
生活場面では、不必要な立ち歩き、貧乏ゆすり、
過度なおしゃべり、そわそわする、などのかたちであらわれます。

ADHDは子どもの5%、大人の2.5%に見られる障害です。
筆者のたまこもADHDを持っている当事者です。

 

ADHDの原因

自分の注意や行動をコントロールする脳の働きを実行機能といいます。
実行機能は大脳の前方部分(前頭前野)で調節されます。
ADHDの人の脳は、この前頭前野の働きが生まれつき
偏っていると考えられています。

ADHDの障害特性は、落ち着きがなくそそっかしいと非難の対象になるほか、
しつけや育て方、あるいは本人の努力不足と捉えられがちです。
実際は、脳の生まれつきの障害が原因で、注意や行動をコントロールすることが
困難になるためと考えられており、困っているのは当事者本人なのです。

本当の原因に気づかず放置していると、生活場面での失敗や
社会での不適応が重なって、自己肯定感の成長の妨げになります。
自己肯定感とは、自分自身のの存在、
生きる価値を肯定できる感情のことを指します。
似た言葉でいえば、自尊心、自己効力感にあたります。
自己肯定感については別の記事で触れています。

↓自己肯定感についてはこちらをごらんください↓
発達障害の子どものしかり方①:「怒る」と「しかる」、自己肯定感

またそうした生活を続けていると、本人にストレスがかかり、
さらなる生活上の支障が起きてしまうことがあります。
これを二次障害といいます。
早めに障害に気づき、二次障害を防ぐことが大切です。
二次障害についても別の記事で詳しく触れています。

↓二次障害についてはこちらをごらんください↓
発達障害の二次障害とは? その具体例も紹介!

 

大人のADHDとは

これまで、ADHDの症状は成長するとともに
治まるものとされてきました。
しかし、50%前後の人は成人しても
その症状が残ることがわかってきました。
大人になってから生活上の不都合により
診断されることも珍しくありません。

大人の発達障害では症状の強さや生活上でのあらわれ方に変化があります。
ADHDでは衝動性が弱まり、不注意が目立つ傾向にあるようです。
生活上では以下のような特徴があらわれやすくなります。

  • 物を忘れたりなくしたりしやすい
  • 期限に間に合わなかったり遅刻したりしやすい
  • 仕事や家事でのケアレスミス、うっかりミスが多い
  • 仕事や作業を順序立てて行うのが難しい
  • 片づけることが苦手

そそっかしい人なら誰にでも見られることですから、
全てに当てはまったからといってADHDとは限りません。

大人のADHDの症状の生活場面でのあらわれ方についても、
詳しく触れた記事が別にあります。

↓大人のADHDの症状のあらわれ方の例はこちらをごらんください↓
発達障害:ADHDと時間内の目標達成、ADHD「あるある」具体例

次に、大人のADHDの症状を持っている可能性を確かめるための
チェックリストの例を紹介しますので参考にしてください。

ADHDチェックリスト(ASRS-v1.1)

それぞれの症状がみられる頻度に最も近い回答欄にチェックをつけます。
チェック箇所に書かれている数の合計が4点以上の場合、
ADHDの症状を持っている可能性が考えられます。

全くない めったにない 時々 頻繁 非常に頻繁
物事を行うにあたって、難所は乗り越えたのに、詰めが甘くて仕上げるのが困難だったことが、どのくらいの頻度でありますか
計画性を要する作業を行う際に、作業を順序だてるのが困難だったことが、どれくらいの頻度でありますか
約束や、しなければならない用事を忘れたことが、どのくらいの頻度でありますか
じっくりと考える必要のある課題に取り掛かるのを避けたり、遅らせたりすることが、どのくらいの頻度でありますか。
長時間座っていなければならない時に、手足をそわそわと動かしたり、もぞもぞしたりすることが、どのくらいの頻度でありますか
まるで何かに駆り立てられるかのように過度に活動的になったり、何かせずにいられなくなることが、どれくらいの頻度でありますか

 

まとめ

  • ADHDの主な症状は、不注意衝動性多動性の3つ。
  • ADHDの原因は生まれつきの脳の障害であり、
    しつけや本人の努力不足ではない。
  • 大人のADHDでは症状のあらわれかたが変化し、
    衝動性が弱まり不注意が目立つ傾向にある。

たまこが成人した頃は、発達障害といえば子どもの病気でした。
発達障害と診断されたのは30代になってから。
もっと早くわかっていたら症状に対処することができたのに、と
診断された当時は悔しがったものです。
症状で生活に困難を抱える人の助けになるように、
二次障害を防げるように、早期発見を望みます。

ではまた。

 

関連項目

発達障害の子どものしかり方①:「怒る」と「しかる」、自己肯定感

発達障害の二次障害とは? その具体例も紹介!

発達障害:ADHDと時間内の目標達成、ADHD「あるある」具体例


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